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本当においしい旬とその見分け方は?
『苺×スイーツ』おススメの合わせ方は?

日本人が大好きな「苺」というフルーツ。実は、日本だけでも種類はどんどん増え続けており、品種も年々改良されて美味しくなっていると知っていましたか?そんな旬の苺が今回のテーマ。冬から春にかけて、旬を迎えた苺の種類はもちろん、美味しい苺の見分け方や多種多様な苺をスイーツとどう合わせたら美味しいか、お届けしていきます。

今回の記事は、スイーツメディアufu.(ウフ)編集長の坂井勇太朗さんに執筆いただきました。実際に旬の苺の食べ比べをしてもらい、どんなスイーツに合うのか、おススメもレポートしてもらいました。

ufu.(ウフ)編集長レポ―ト ~いちごの旬や種類~

苺のことをもっと深く知りたい!そう思い、今回は市場人がいる通販サイトで「いちごだんめん図鑑」(小学館)を出版までしてしまうほどフルーツに詳しい「#豊洲市場ドットコム」さんに協力を依頼。運営に携わり、苺に詳しい“中の人”に取材をさせていただきました。

実際に苺の旬の時期を伺うと、1~2月が最も旬の時期。そこから3月にかけて温かい気候になってくると5月にはピークを終えるそう。
ここ数年の苺の美味しさは「甘い」苺が増えているそう。実際に栽培や品種改良をする農家さんたちが「甘さ」を徹底的に追及しています。

一つ面白い例を挙げると、栃木県の苺に「とちあいか」「とちおとめ」という苺があります。「とちあいか」は甘さを追求し、一方で「とちおとめ」は昔ながらの酸味のある苺が好きな方々向けなど、同じ県や産地でもその味わいはさまざま。
甘いだけではなく、酸味があってさっぱりしたものを好む人も多いため、苺一つをとっても、様々な観点で栽培されています。

見分け方は「着色」と「ツヤ」

「#豊洲市場ドットコム」さんにお話を伺うと、おいしい苺の見分け方は着色とツヤこの2点が大事だという。着色は色が鮮やかか、真っ赤かどうかという事ではなく苺のヘタの根本まで着色されている、しっかり熟して色が全体にまでまわっているかどうかがポイントなんだとか。白イチゴの見分け方は、着色や種の色などもすべて品種によるため、外観での判断は難しいんだとか。

そして2点目のポイント「ツヤ」。乾燥をしてしまい表面がマットになってしまったものよりもテカりがあったり、ツヤっとしているものが鮮度もよく美味しいのだとか。

ぜひこの2点を参考に、苺を選んでみましょう。

毎年増え続ける最新品種と、今食べるべき苺って?

こちらは毎年最新品種の図鑑をアップしている「#豊洲市場ドットコム」さんからお借りしました。これを見て驚きましたか?見た目の色や形、味わいだけでなく、このマップを見ると断面の色も多彩であるのがわかります。断面をキレイに見せるスイーツなどの参考にもなりますね。

おススメの苺3選

苺の最もわかりやすい違いは、人気の白苺や淡い色といった苺の色の違い。また苺の「硬め」「柔らかめ」の違いから、見た目の丸さでも違いが出てきます。
そんな数多くある苺の中でも、特におススメのものを「#豊洲市場ドットコム」さんにお伺いしました。

1つ目:その名の通り甘みが強い「あまりん」(埼玉県)

外せない人気商品という、埼玉県の品種。確かにこちらの品種は、実は東京のトップレストランや人気パティスリー、パフェの名店で見かけることが増えた人気の品種。その特徴は甘さ。16~18度の糖度があり、苺によって糖度20度を越えることも。数年前まで糖度の平均は8~10度で、凄腕の農家さんでも糖度16度までいくかどうかの苺の世界。今では平均が糖度12度程度でレベルが上がっている中でも、ダントツの糖度を誇る品種です。実際に筆者の私も大好きな苺です。

2つ目:ここ数年注目を浴びている「コットンベリー」(奈良県)

いわゆる白苺。白苺を「味が薄い」「あまり美味しくない」というイメージを持つ方もいらっしゃるかもしれません。この「コットンベリー」は、その常識を覆す美味しさで、海外のキャンディのような甘いポップな香りが特徴的です。この品種を開発したのは異色の“個人いちご育種家”とも呼ばれる大村佳伊人さん。「美味しい苺を、白苺を食べて欲しい」そんな思いが詰まっています。

3つ目:ジューシーな「かなこまち」(神奈川県)

作っている方が少なく、神奈川県の平塚市の若手の農家を中心に、広がりを見せている品種なんだとか。甘さと酸味のバランスがよく、万人受けする苺ですが、大きな特徴はやわらかさとジューシーさ。果汁があふれるような苺です。

3月中旬~末ごろにスーパーで見かけたら「買い」な苺って?

せっかくなので3月に食べられるおススメの苺を聞きました。3月中旬以降も美味しい品種は多く、特におススメが群馬生まれの「やよいひめ」。名前に弥生とあるように、3月の品種で地域は栃木、茨城、埼玉が多いそうですが、全国的にも広がっている品種だそう。
大きさはまばらで、オレンジっぽい色合い。味わいはお子様からお年寄りも“みんなが好きなミルキーな甘さ”。

どんなスイーツに合う?ufu.(ウフ)編集長実食&おススメレポ

「#豊洲市場ドットコム」さんに今回紹介いただいた「あまりん」「コットンベリー」「かなこまち」「やよいひめ」と、他にもおススメの「あまおう」「古都姫」の計6種類をご用意いただきました。実際に試食し、苺ごとに相性のよいスイーツを紹介します。

まずは1つ目の「あまりん」。糖度が高いだけあって、食べた瞬間の甘みと香りがブワ~っと広がります。十分濃い味わいなので、低脂肪のさらっとした生クリームとの相性が良いと感じました。酸味を加えると大味になるため、ヨーグルトではなく、ショートケーキやフルーツサンドの具にぴったり。甘みと相性のいいパンのほんのりとした塩味との相性も◎。

続いては「コットンベリー」。こちらは甘い香りが芳醇で、あまり手を加えない食べ方がベスト。タルトにのせるなどがおススメです。シャンパンに苺を丸ごと一粒入れても香りが引き立って美味しかったです。

「かなこまち」はジューシーでみずみずしいので、生クリームというよりジュレやゼリーと相性が良いです。例えばフルーツポンチに入れたり、ゼリーに入れたり。また苺大福にしてもジューシーさが大福との相性がよさそうです。

「やよいひめ」は、王道の味わいでありながらも甘味のコクが素晴らしい。それこそジャムにしても美味しく、単体でも主役になれるのでパフェやショートケーキのトッピングとして丸ごと使いたい味わいです。

古都姫は奈良県の古都華の濃厚な甘さをしっかりと引き継いだ新しい品種。酸味がややマイルドなので、ヨーグルトに入れたり、フルーツサンドにしてもよさそう。またミルフィーユなどパイ生地との相性も〇。

誰もが知っている「あまおう」も食べてみました。食べた瞬間の酸味は、苺らしさを感じさせてくれます。甘さだけではなく、酸味があることでパウンドケーキやサブレなど、生地に合わせるときに凄く味が出やすく、あまおうは製菓において使いやすい品種です。イチゴ味を引き出したいときにぜひ使いたい苺です。

まとめ

苺はそれぞれ大きな特徴を持っているので、スーパーや青果店でもいろいろ試してみてください。またスイーツに合わせて、使い方を変えると楽しみ方も倍増。ぜひ日本の豊かな苺を楽しんでくださいね。

取材・執筆/スイーツメディアufu.(ウフ) 編集長:坂井勇太朗
取材協力/豊洲市場ドットコム https://www.tsukijiichiba.com/