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スイーツの名前が一緒でも、
世界各地で
異なるスイーツを大調査!

カフェでのひとときや食後のデザート、お土産にもスイーツは欠かせない存在ですよね。普段親しんでいるスイーツでも、同じ名前でありながら他の地域では味や見た目が異なることがあります。身近なスイーツの意外な姿や魅力を見てみましょう。

見た目が違う!世界各地のクレープ

さまざまな味や見た目を楽しめるスイーツといえば、薄い生地でお好みの具材を包むクレープがあげられます。フルーツやクリームなどを包むスイーツ系のほか、サラダやウインナーを包むおかず系までバリエーションに富んでいることが魅力です。

このように見慣れたクレープの姿は、実は日本独自のものであることをご存知でしょうか。それでは海外と日本のクレープを見ていきましょう。

日本

クレープ

クレープが日本で初めて作られるようになったのは、原宿という説があります。フルーツや生クリームをのせた生地を円すい形に巻いた形状が一般的で、気軽に食べ歩きも楽しめるスイーツです。

近年はスーパーマーケットやコンビニでも様々な形状で販売しており、手軽かつ身近なスイーツとして親しまれています。

ミルクレープ

クレープ生地と生クリームを何層にも重ねるミルクレープは、生地とクリームをたっぷり楽しめる、しっとりとした食感のスイーツです。

実はミルクレープは、日本独自の食べ方です。クレープの生地も柔らかくフォーマルな場で提供される時、キレイに食べられるか心配される方もいるかもしれませんが、通常のケーキと同様に一口サイズに切って食べるのが正解です。最下層まで一度にフォークを入れるのではなく、層の半分までで留めると食べやすいでしょう。

フランス

スイーツの聖地として知られるフランスはクレープの発祥地でもあります。本場フランスでのクレープは、以下の3種類です。

ガレット

日本で親しまれているクレープは、実はフランスのそば粉で作るガレットが前身となっています。

ガレットは、フランスではレストランでも提供される食べ物です。ブルターニュ地方の伝統料理であるガレットは、そば粉の生地に塩、水だけで作られるため塩味で主に食事として食べられます。

クレープ

フランスのガレットの生地を改良し、そば粉ではなく小麦粉を使用し、牛乳・卵・砂糖を加えたことで現在の甘いクレープが誕生しました。温かいまま生地を平たく折りたたんで、ナイフとフォークで食べるのがフランス流で、コース料理の場合は前菜にガレット、デザートにクレープが出ることもあります。また、クレープリー(クレープ専門店)が多数あり、軽食やおやつとして気軽に食べられています。

フランスのクレープは具材ではなく生地を楽しむため、日本よりも厚めの生地にシロップをかけたシンプルな姿が一般的です。また、砂糖とバターの組み合わせも楽しまれています。

生地を焼いた際にできるこげ模様がちりめんに似ていることから「クレープ」の名前は、クレープ(絹のような)という意味から由来しています。

このように、日本はトッピングを、フランスは生地を楽しむなどの違いがあります。

クレープシュゼット

クレープシュゼットは砂糖をかけたクレープを特製のオレンジソースで煮込み、温かい状態で楽しむスイーツです。特製のオレンジソースは、ビターオレンジからできた高級リキュール(グランマルニエ)、オレンジ果汁や果肉から作られます。グランマルニエのアルコールは火を通し蒸発させ、残った砂糖が濃厚なカラメルソースとなりクレープとの相性が抜群です。
クレープシュゼットはレストランやホテルなどで、お客様の目の前で火をつけグランマルニエのアルコールを飛ばす炎の演出をされることが多いです。

材料が違う!世界各地カステラ

独特のフォルムと弾力、美しい焼き色が魅力的なカステラも、似たようなスイーツが世界各地に存在します。多くの方も知っている通り、もともと日本で親しまれているものも、かつて海外から伝来したものです。

近年は日本のカステラの元となったスイーツのほかに、独自の進化を遂げたものが人気を集めています。

日本

カステラ

日本のカステラは、長崎県から広まりました。作り始めたのも長崎が最初で、材料にハチミツやざらめ糖を使用しているのが特徴です。

美しい焼き色と、しっとり、ふっくらとした食感が、全国にカステラが浸透した現代もなお愛されています。

ポルトガル

パォンデロー

ポルトガルのパォンデローは、日本で広まったカステラのルーツと言われる食べ物です。卵と砂糖を泡立て、小麦粉を加えて窯で焼くというシンプルな製法ですが、完全に火を入れず焼き上がりを半熟にするものもあります。

日本のカステラと同様に、しっとりとした食感と弾力が特徴的です。

台湾

台湾カステラ

近年は日本でも人気なのが、台湾カステラです。台湾では「現烤蛋糕」(シエンカオダンガオ)と呼ばれており、焼きたてのケーキを意味しています。

メレンゲに小麦粉や砂糖、牛乳とシフォンケーキと同じ材料で作られていることが大きな特徴で、オーブンで蒸し焼きにする方法が一般的です。メレンゲ由来のしゅわしゅわとした食感が愛されています。

作り方が違う!世界各地のアップルパイ

家庭でも手軽に作ることのできるスイーツのひとつが、アップルパイです。世界各地で愛されているアップルパイですがクレープやカステラなどと同じくアップルパイも地域ごとに異なる特徴を持っています。

日本

アップルパイ

日本のアップルパイは、シンプルながら軽やかな食感が特徴です。その理由は何層もパイ生地を重ねて作る「パフペイストリー」を使用していることにあります。

味付けは基本砂糖のみの、素材の味を楽しむことのできるアップルパイに仕上がります。

イギリス

英国式アップルパイ

イギリスではフルーツのほかに魚を使用したパイも存在するほど、さまざまな食材でパイ料理が作られています。アップルパイは、そんなイギリスで最もポピュラーなパイのひとつです。

英国式アップルパイは生地に小麦粉やバター、塩と水を混ぜた「ショートクラスト・ペイストリー」を使用します。日本のサクサクと軽い食感をしたものと異なり、ザクザクとしたタルト生地のような重厚感のある食感をしています。

アメリカ

アメリカンアップルパイ

アメリカを代表するスイーツの一つとして、家庭料理や感謝祭、クリスマスなどで親しまれています。アメリカンアップルパイもイギリスの影響が見られる料理のうちのひとつで、英国式と同様に「ショートクラスト・ペイストリー」を使用して作ります。

アメリカ特有のポイントは、シナモンやナツメグを効かせていることです。あらかじめ煮詰めたリンゴではなく、生のリンゴをカットしたものを盛り付け、オーブンでじっくりと焼きます。

オランダ

ダッチ・アップルパイ

オランダの伝統料理として有名なのが「ダッチ・アップルパイ」という、リンゴのスイーツです。パイ生地をのばしてリンゴのフィリングを包むように成形し、クランブルを乗せて焼き上げます。そのため、別名クランブルトッピング・パイとも呼ばれており、リンゴのほかにレモンやレーズンを入れる点も特徴的です。ホイップクリームをたっぷりと添えて食べるのが人気の食べ方だそうです

オランダだけではなく、アメリカでも家庭料理の一種として浸透しています。

食感が違う!世界各地のワッフル

最後は、日本でも喫茶店などで定番メニューのひとつとなっているワッフルです。
日本国内でも世界各地のワッフルを食べられますが、各地でまったく異なるワッフルが作られています。

日本

ワッフル

日本のワッフルは、明治時代に海外より伝わりました。日本では、円形または楕円形に焼いた軽いふんわりしたスポンジ生地を2つ折りにしたものがワッフルと呼ばれます。ふわふわ生地の中にクリームやジャム、カスタードを包みサンドしたスイーツで、バターの風味やふわふわとした食べやすい食感が特徴です。

ベルギー

ベルギーワッフルは、大きく分けると2種類が存在します。

ブリュッセルワッフル

ブリュッセルワッフルとは、長方形の生地に生クリームやアイス、チョコレートシロップやフルーツなどが乗った見た目も豪華なスイーツです。ふわふわした食感をしており、基本的にはナイフとフォークで食べます。

各家庭でオリジナルのブリュッセルワッフルを作ることが多く、その場合は甘いトッピングだけでなく、ハムやサーモンなどを乗せて食べることもあります。

リエージュワッフル

リエージュワッフルは、丸型あるいは楕円形の生地に、パールシュガーが入っているワッフルです。パールシュガーのシャリとした食感が特徴です。生地も甘く、固めに作られていることから、持ち歩きやすくなっています。

アメリカ

アメリカンワッフル

アメリカンワッフルはヨーロッパから本来のレシピが伝わった後に、アメリカ独自の進化を遂げたことで誕生しました。

ベルギーのワッフルに比べると砂糖控えめの生地で、そのまま食べることもあれば、チーズやフライドチキンなど塩気のある具材をトッピングすることもあります。ベーキングパウダーやホットケーキミックスを使って作る方法も一般的です。

ベルギーワッフルとは違いイースト(酵母)が含まれているため、ふわふわした弾力を楽しむことができ、食べ応えもあります。

台湾

鶏蛋仔(けいたんし)

台湾では、鶏蛋仔(けいたんし)があげられます。小麦粉などを使用する他地域のワッフルとは異なり、卵のほかにタピオカ粉を使用して作ることが最大の特徴です。見た目もユニークで、卵のような小さな玉が連なっているような生地です。しっかりとした厚みがある生地にクリームやアイスを包んで食べます。

日本では、その見た目からエッグワッフルやバブルワッフルと呼ばれています。さっくり・ふんわりとした食感が魅力です。

まとめ

形状や材料が似ていても、地域によって味わいや食べ方は異なります。世界各地でフルーツをふんだんに使用した豪華なものもあれば、シンプルに素材の味を楽しむものもあり、スイーツの魅力はさまざまです。

日本でも世界各地のスイーツを楽しめることができるため、カフェやオンライン販売などで楽しんでみてくださいね。