イギリス、日本、フランス、アメリカ。4か国のお菓子が今アツい!
実は、日本生まれのスイーツだけではなく、世界各地の伝統的なお菓子が流行っています。そんな流行りのスイーツとしてPick Upしたのは下記の4つ。
- スコーン from イギリス
- どら焼き from 日本
- フラン from フランス
- チャンククッキー from アメリカ
この4か国のスイーツが、どんどん進化しているんです。どのスイーツも見た目はもちろん、製法も変わってきているんだとか。それではそれぞれ紹介していきます。
英国発。トッピングがどんどん増えて進化する「スコーン」
日本でもパン屋さんやカフェ、そしてホテルのアフタヌーンティーで多く見られるようになってきたスコーン。実はその発祥はスコットランド。徐々に英国全土に広がり、英国を代表するお菓子となりました。またその語源は諸説ありますが、スコットランドのパースにあるスクーン宮殿に「The Stone of Scone」(スクーンの石)と呼ばれる石があり、名前や形はこの石に由来しているそうです。
材料は実にシンプルで、小麦粉やバター、砂糖、ベーキングパウダーを混ぜて焼き上げます。クロテッドクリームと呼ばれる脂肪分の高い牛乳を弱火で煮詰めて、表面に固まった乳脂肪分を集めて作られるクリームやジャムを塗って食べるのが定番です。
そんなスコーンは、日本において大ブームとなり、日本のデパートで開催される英国展などは多くの人がスコーンを求めて集まります。冷凍して焼き直せる保存性の良さも、人気の秘密でしょう。
伝統的なスコーンはレーズンなどを混ぜ込み焼き上げるものなどがありますが、ここ日本においては大きな進化を遂げています。まず合わせる材料が多様化しており、フランス菓子のようにアイシングをしたり、スコーンの真ん中を切って具を挟み込んだスコーンサンドも人気が高いです。
特に、飾り付けがボリューミーなスコーンは「デコスコ」(デコレーションスコーンの略)とも呼ばれ、昨今TVや雑誌でも多く取り上げられました。
日本人に馴染み深いどら焼き。進化の秘密は「バター」!?
空前絶後の和菓子ブームもあり、中でも老若男女問わず人気のどら焼きに注目。誰もが知っているあの“どら焼き”ですが、製法も実は洋菓子寄りであり、令和の時代はフランスへその文化が渡り、フランスにどら焼きの専門店ができるなど、ブームになっています。
とりわけ日本においては、日本人好みの「ふわふわ」「もちもち」をキーワードに、食感が大きな進化を遂げています。
写真左側のどら焼きは、メレンゲと呼ばれる卵白に砂糖を加えて泡立てたものを加えたどら焼き。今までになかった“ふわとろ”っとした食感になっています。
他にも昨今は、米粉を使用するなど、製法と素材の変化が見られます。
また進化のキーワードに「バター」も。ホットケーキと近いこと、またあんことバターの相性の良さから「あんバター」が流行っていることもあり、どら焼きにバターをはさむものもかなり増えてきました。
卵感たっぷりで、2024年最も流行りそうなフランス菓子「フラン」
続いては「フラン」。フランとは卵・砂糖・牛乳を使ってつくられるお菓子のことです。地域によってはカスタードプリンのようなものを指すこともあり、材料や製法も大きく異なり、歴史を辿ると奥深いお菓子です。
諸説ありますが、その起源はローマ時代にもなると言われており、ガラパゴス化しながら中世にはフランスで、写真のような現在のフラン(生地の中にアパレイユが詰まっているタイプ)が多くみられるようになったといいます。
フランスでは卵を使ったお菓子が多く存在し、ブルターニュ地方の「ファーブルトン」も構成や見た目が似ています。
まるでプリンのような味わいは、日本人の舌に合うことから今注目されています。
日本で広まり始めたフランは、日本のパティシエたちによりどんどん新しくなっていきます。まずフレーバーが大麦であったり、ほうじ茶のような和素材を組み合わせるようになってきました。そして見た目も!
写真のフランはまわりをクロワッサンのようなパリパリのパイ生地で包み焼いています。
「チャンククッキー」の独特な食感こそアメリカ人好み
最後に紹介するのは、いわゆるアメリカンクッキーと呼ばれるチャンククッキー。「ソフトクッキー」とも呼ばれ、その食感に大きな特徴があります。
日本においては昨今のカフェブームもあり、コーヒー文化と結びついてじわじわとアメリカンなお菓子がブームになってきています。アメリカでは古くより家庭に置かれている日常のお菓子でした。チョコチップクッキーからオート―ミールやレーズン、そしてピーナッツバターをたっぷり使ったものが定番です。
チャンククッキーの大きな特徴は、その「ねっちり」した食感。日本人が創造する「サクサク」なクッキーとは大きく異なり、焼き方も材料も大きく異なります。
そんなチャンククッキーですが、これも日本らしく、抹茶フレーバーが出たり、生のフルーツがのったものが出てくるなど、カラフルで映えるお菓子へと進化中。
食感も外はさっくりするフランス菓子のようなものもあり、もはやチャンククッキーとは?と思うところですが、ガラパゴス化し始めたチャンククッキーはお店によって味わいが全然違うので、食べ比べがとっても楽しいお菓子です。