あずき
和スイーツに欠かせないものといえば餡。この餡の原料のあずきについてお話します。
小豆(あずき)は我々日本人にとって単なる豆ではありません。赤いがゆえに生命の血の色と結びつき、陽の色として陰の邪悪や魔を防ぎ、人生の節目や1年の節目に登場
してきました。ですから赤飯やお饅頭は今日でも、晴れの日に食べられますよね。
また小正月に小豆粥を食べる習慣は古く、奈良・平安朝から始まったといわれています。
次にその起源についてのご説明や、小豆の効能についてのお話をします。
<あずきのあれこれ>
一説によるとあずきの語源は「あ=赤色」、「ずき=溶ける」ということで赤くて煮るとすぐやわらかくなることからついたといわれています。
<産地>
日本でのあずきの収穫量は8割以上が北海道産で、そのうち3割以上が十勝産です。それには次のような理由があります。
①冷涼な気候であり、昼夜の寒暖差が大きいため、あずきの糖分が高くなる。
北海道南東部は冷涼な気候で、日照時間が長いため、太陽の光があずき一粒一粒に芯までたっぷりと吸収されます。 さらに、昼と夜の寒暖差が大きく、この寒暖差があずきの高い糖度を生み出し、純良な甘さと美しい色ツヤになります。
②連作ができないため、広い土地面積が必要。
あずきは同じ畑で作り続けると、落葉病などの病害虫が増え連作障害を起こしてしまいます。それを防ぐために、あずき→ジャガイモ→小麦→あずきのような4年輪作を行います。そのため北海道のような広大な土地が必要なのです。
<種類>
あずき・・・ほとんどは餡や菓子の原料となり、和菓子・菓子パン・おしるこなどに使われます。品種には「エリモショウズ」・「きたのおとめ」・「サホロショウズ」などがあります。
大納言・・・あずきの中でも特に大粒で煮ても腹割れしにくい特定の品種です。甘納豆などに使われます。北海道では「アカネダイナゴン」、兵庫では「丹波大納言」などが栽培されています。
<あずきの栄養>
あずきの小さい豆にはたくさんのパワーが詰まっています。注目すべきはポリフェノールの多さです。100g中に含まれるポリフェノールの量は、赤ワインの300mgに対し、あずき(乾豆)は460mgです。
また、あずきには強い解毒作用があり、体内のアルコールを速やかに排出してくれるので、二日酔いにも効果があると言われています。
さらに皮には「サポニン」という中性脂肪やコレステロールを低下させる物質を含んでいるため、高血圧や動脈硬化を予防する効果が期待できます。たんぱく質が多く、ビタミンB1・B2・B6の宝庫です。昔から、利尿・解毒の作用があり、腎臓病・皮膚病・特に脚気によく効くとされてきました。
<写真はイメージです>