マドレーヌの由来
誰もが一度は口にしたことがあるフランスの伝統菓子・マドレーヌ。
貝殻の形をした、ふっくら・しっとりが魅力のこのお菓子の発祥のエピソードは数多くありますが、ここでは最も有力な説を紹介したいと思います。
時は18世紀中頃、当時、フランス西部のロレーヌ地方を治めていた元ポーランド王のスタニスラス・レクチンスキー公が、ロレーヌ地方のコメルシーという町で、野外パーティーを催しました。
しかし、菓子担当の職人が料理長と喧嘩をして帰ってしまい、困った料理長は、ちょうど手伝いに来ていたメイドがおいしいお菓子を作れるという評判を聞き、さっそく作らせてみました。
メイドが作った黄金色の焼き菓子は大好評で、これを大変気に入ったレクチンスキー公は、メイドの名前をとって「マドレーヌ」と名付けたのです。
レクチンスキー公には、ルイ15世の元に嫁ぎヴェルサイユ宮殿で暮らす愛娘マリー・レクチンスカ王妃がいました。彼女のもとにマドレーヌを送ると、この小さな焼き菓はヴェルサイユ宮殿だけではなくパリ中に広まり人気を集めたのでした。
このマドレーヌのレシピは門外不出とされていましたが、コメルシーのある菓子職人がかなりの高値で買い取ったとのことです。
そのおかげでマドレーヌは世の中に出回り、時を経て、私たちもあのふっくら・しっとりとしたおいしさを楽しめるようになったのです。
マドレーヌ誕生にこんなエピソードがあったとは面白いですよね。マドレーヌを食べるときはこのエピソードを思い浮かべながら食べてみると、また違ったおいしさを感じられるかもしれませんね。