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スイーツのまめ知識

クリスマスの由来

子供から大人までみんなが楽しめるクリスマス。
毎年、私たちを楽しませてくれるイベントですが、その起源は
どういうものなのでしょうか。


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まず、クリスマスとはどのような日なのでしょうか。
「キリスト教大事典」によれば、クリスマスはイエス・キリストの
降誕記念日で、3世紀初頭、アレクサンドリアで活躍した
神学者・クレメンスがキリストの降誕日を5月20日と推測し、
4世紀の後半にはクリスマスは毎年祝われるようになったとの
事です。また12月25日に祝ったとする記録で最も古いものは
336年のローマの行事を記した「フィロカルスの暦」に見つける
ことができ、そこには12月25日にユダヤのベツレヘムという町で
キリストは誕生したと書かれている、とあります。



現在、キリストの生誕日は西暦元年の12月25日であると
されていますが、歴史学的にはこの年月日は極めて疑わしく、
今のところ紀元前4年の初夏頃というのが定説になっています。
ではなぜ12月25日がクリスマスとなったのでしょうか。


当初、キリスト教信者の間ではそれぞれいろいろな日が
キリスト降誕祭として祝われていました。しかし313年に
ローマ皇帝がキリスト教を公認し、世界的宗教として広めること
になり、生誕祭を統一する必要が出てきました。


教会は長い議論の末、350年頃に12月25日をキリスト降誕日とする
ことを決定しました。この日の選定にあたり最も影響を与えたのは、
ローマ皇帝がキリスト教の前に信仰していたミトラ教の、不滅の
太陽神ミトラの誕生祭、つまり冬至祭といわれています。ヨーロッパなどの
農耕社会では太陽の力が弱くなる冬至の頃、そのよみがえりを願う
冬至祭が広く行われており、ミトラの誕生祭もその1つでした。
さらにローマでは民衆の間に12月17日から24日まで「サトゥル
ナリア」と呼ばれる冬至祭もありました。これは冬至の前、人々が
無礼講で酒を飲み、食事をして楽しく過ごすことができる1週間で、
英語の土曜日(Saturday)はこのサトゥルナリア(Saturnalia)から
きているそうです。このいわば異教徒たちの祭をクリスマスに
選んだのは、ミトラの誕生祭を取り込むことでミトラ教を結果的に追放し、
一方で民衆をキリスト教に教化していこうという狙いがあったようです。


4世紀に12月25日で統一されたクリスマスはキリスト教の布教により、
ヨーロッパからアメリカ大陸、そしてアフリカ、アジアへと全世界に
広まっていき、宗教的意味合いはともかく祭としてのクリスマスは
各地の風土と融合し、様々な展開をみせ、日本では私たちが毎年
楽しんでいるような装いになったのです。


長く続いている行事の起源というのは、やはり奥深いものなんですね。
今年のクリスマス、みなさんはどのように過ごされるのでしょうか?